思考の芥場

プラモ、ボードゲーム、紙芝居ゲー、アニメや本などの雑記帳

「無限のリヴァイアス」について

運動のしなさすぎと作ったお菓子の糖分摂取でちょっとおなかが出てきました、おしょむです。

はじめに

コンテンツの感想は言語化しないとすぐ忘れてしまい、ぼんやりとした印象しか残らなくなってしまうものです。弊ブログでも思い付きで最近触れたもの、過去に触れてよかったものについてネタバレの極力ない範囲で何となく書き残しておきたく思います。アニメや本、映画やゲームなど雑食で行きたいと思います。今回は1999年放送のアニメ、「無限のリヴァイアス」についてです。

 

ざっくりあらすじ

宇宙空間をプラズマの海「ゲトゥルトの海」が覆い、地球も南半球が覆われてしまった世界。人類は宇宙進出を果たすも、「海」に入って耐えられる船はまだまだ限られていた。西暦2225年、主人公の相葉昴治は訓練生としてステーション「リーベ・デルタ」にのりこんだ。訓練中、武装組織の襲撃を受け教官たちは死亡、コントロールを失ったリーベデルタは危険な「海」へと進入してしまうが、そこで内部に隠匿されていた可潜艦「黒のリヴァイアス」が起動、何故か政府に追われる立場となった訓練生たちは、目的地もなく逃避行を始めるのであった...

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黒のリヴァイアスアオシマからプラモ出てたらしい。知らなかった。

閉鎖空間と少年少女の争い

ロボットアニメのよくある構図として、「状況を理解できない搭乗者の子供と、理不尽な大人」という対比関係があります。状況や原理的にロボットには子供が乗るしかなく、大人の理不尽な指示と子供の無理解から対立が生じる、というものです。しかし、「無限のリヴァイアス」ではその構図はなく、宇宙船という物資が限られた極限状態の閉鎖空間で子供が子供を指導し統率する、という構図になっています。(最近ではオルフェンズとかもこの系譜なんでしょうか?)

結果として何が発生するかというと、絶対権力の不在その中でも統率する存在の必要性(食料などが有限なため)から子供の中での醜い権力闘争が起きます。大人顔負けの陰湿さ、子供の残酷さを伴って物語を動かしていくこの争いによって、複雑な人間関係がより複雑になっていくところが必見です。

 

エゴとコンプレックスのぶつかり合い

無限のリヴァイアス」のもう一つのテーマと考えているのがこれです。主人公の弟暴力的なキラ・ヤマトに対するコンプレックスを代表として、だれしもが過去のトラウマや負い目を抱え、またこの作品中で抱えることになる作品でもあります。これらがぶつかり合って物語は進んでいき、最終的に個々人がその過去や自分と向き合っていく姿が好きです。

素敵なOP

最終話までOPをつとめる有坂美香の「dis-」は26回聞いてもまったく飽きない曲だと思います。陰鬱だが少しだけ希望のある歌詞は見進めてかみしめると違った意味に聞こえてくるのではないでしょうか。

感想

とにかく登場人物がみんな若く、若い行動しかしないアニメなのですが、その分行動原理に対して納得のいくような描写、背景がきちっとしているのが「無限のリヴァイアス」だと思います。イラつくキャラはそれこそ無限に居て見るのはしんどいのですが...

この作品でメガホンをとった谷口悟朗監督は、この後「スクライド」「プラテネス」「ガンxソード」「コードギアス」と一気に人気作を手掛けることとなります。そんな「無限のリヴァイアス」、どこかで見かけたら見てみていただけたらと思っています。