思考の芥場

プラモ、ボードゲーム、紙芝居ゲー、アニメや本などの雑記帳

最近触れた作品まとめ 2021年12月

 

ナイトオンザプラネット

世界各地のタクシーを舞台に、ドライバーと乗客のひと時を描いたオムニバス映画。ひと時狭い空間を全く知り合いではない人々が共有するタクシー車内を切り取るあたり独特なものがありました。乗って降りる間のお互いしゃべろうかしゃべらまいか迷ったりするのはタクシーならではなきがしませんか?

個人的にはニューヨークとパリのパートが好きでした。盲目の女性を下した後に事故が起きそうになって、「前見てんのか!」と言い合うあたり含蓄~~~となっていました。

キングスマン:ファーストエージェント

少々下品なスパイ映画シリーズ第3弾。キングスマン組織の設立秘話が描かれています。舞台が1次大戦前夜ということもあって、諸々のレトロ描写が刺さりっぱなしでした。無印とゴールデンサークルはコメディ色とシリアス色がグルグル入れ替わるジェットコースターみたいな作品でしたが、ファーストエージェントは丁寧めの下準備をした後に視聴者を正拳突きでぶっ飛ばしていくスプラッシュマウンテンみたいな作品でした。

キングスマンらしく、「いやそうはならんやろ」が多発するわけですが、突っ込みできる余裕はいつも通りなく進行していくのであっという間の120分でした。

ラーゼフォン

ボンズが手掛けたエヴァフォロワーなロボットアニメ。諸々の設定が神話用語で表現されており、登場人物の会話が初見だと全般的に意味不明と自分の中で評判でした。個人的に乗れる人間が限られているロボットアニメはロボットという皮をかぶった青少年が増長し、屈折した自我が家族や組織と衝突していく様を見るのが好きです。そんな自分にはラーゼフォン主人公の神名の、立場が不安定な中で何をするべきか、何を依り代にすべきかを26話をかけて探していく姿は見ごたえがありました。

難解なだけのエヴァフォロワーと片づけてしまうにはもったいないアニメで、劇場版も見てみたいと思える作品でした。

異世界居酒屋

最近ありがちな異世界の視点から我々の世界を見つめる作品のはしり。朝起きてご飯食べながらゆるっと見られるいい作品でした。ビールは「トリアエズナマ」の1杯目だけおいしく飲める派なわけですが、もうちょっといろいろなつまみでビール飲んでみようかなと思える作品でした。豚汁とサラダの回が特に好み。

ワールドトリガー(3期)

B級ランク戦終盤の12話まで。ランク戦佳境で安定も安定の面白さですが、千佳の内面に切り込み始めているのでそっちが気になってしまうところ。あと2話は年始とのことなので気長に待ちましょ。

86(2期)

くっぷくすーるこーとをーゆるさぬあのこーえーはー

戦場が変わったスピアヘッド戦隊→ノルトリヒト戦隊の新たな物語。共和国と対照的に、連邦の大人は子供に戦闘をさせることに非常に否定的です。それでも戦いしかなく戦ってしまうエイティシックスたちと、それを見守る大人と子供の姿が印象的でした。1期は戦場と銃後の対比が楽しかったですが、2期はお話に没入するほどやきもきしてしまいました。

18話とかちょっと再生しては止めて...みたいな感じで大変でした。1期見直したいな...

SEKIRO

秋ごろはだりーだりー言って全然進めてませんでしたが、復帰一時間くらいで天守弦一郎を倒せてしまったがためにトロコンまで突っ走ることになってしまいました。心中の3人も楽しめたので、ふつうSEKIROプレイヤーくらいにはなれたんじゃないかと。苦難厄憑死闘踏破TA動画がASMRとして有用なので最近のお気に入りです。

こなたよりかなたまで

健速初期の一作。永遠を生きる吸血鬼の少女と、癌で余命いくばくもない少年が出会って....という作品です。設定の時点でもうしんどくなってしまいますが、マリーNOMALエンドの時点でもう...

死を前にどう生きるのか、永遠を前に、どう生きるのか。相反する属性を持つ二人がほんのひと時交わり、そして正反対であるが故の共通点を抱えて少しだけ前に進もうとする物語。全部やってもおよそ15時間くらいの小さな作品でしたが、何かと考えこんでしまうシーンが多くて手止まりっぱなしでした。健速は「そして明日の世界よりー」以来でしたが

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紫影のソナーニル

桜井光女史がお届けするLiar-softのスチームパンクシリーズ第5作を3章終わりまで。今回のは謎の大災害によって壊滅した重機関都市ニューヨークを舞台に、2人の少女が別々に紫影の果て”マンハッタン”を目指す物語です。

読者は「重機関都市壊滅の謎」「リリィとAの存在そのもの」「なぜマンハッタンを目指すのか」など、序盤から数々の謎がある中にほっぽり出されます。ですがテンポはいつもの桜井光作品、1章ごとにやっていることは一緒なのに、ゆっくりと登場人物への解像度が上がっていくお陰で雪だるま式に面白くなっていきます。

一両だけの地下鉄が向かう、紫影の果てに何が待っているのか、ぜひ見届けて欲しい作品です。見届けねば...

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一番好きな主従かもしれません

呪術廻戦

17巻までがっつり読んでしまいました。オタクは代償が好きなので術式の開示も天与呪縛も大好きです。死滅回游は突然諸々変わりすぎてびっくりしてました。正直ネカフェでさらっと読むだけだとよくわからなかったので、そのうちまた読み返すことになる気がします。

亜人

10巻くらいまで読んで放置しておりましたがいつの間にか完結してたので最後まで。最終章はめちゃんこ面白かったフォージ安全編ほどではないですが、緊迫感といい上手く着地したんじゃないかと思っております。最終章のフラッドシーンはもっかい読んでみたいです。

 

最悪な事故が起こるまで人は何をしていたのか

おもにオペレーションが必要な工業系の事故を題材に、事故が起きる原因を類別しつつ説明してくれる本。事故はありとあらゆる原因が積み重なって惨事がおきていて、「ほぼほぼ起きないこと」が起きたり、整備された安全装置をじゃんじゃん解除していったりと様々な理由があります。

笑い話にしておきたい、目を覆いたくなるお話ばかりでしたが、文体も読みやすかったのでハインリヒの法則ってスゲーとなりながらサクサク読めました。