思考の芥場

プラモ、ボードゲーム、紙芝居ゲー、アニメや本などの雑記帳

「装甲騎兵ボトムズ」シリーズのお話

もうご飯のメニューを考える気力が家族皆からなくなってきてFat,Sugar,Saltな食卓になってきました、おしょむです。今回は装甲騎兵ボトムズのお話です。

 

 

あらすじ

アストラギウス銀河にある2つの国家、ギルガメスとバララントはどちらが勝つとも知れぬ戦争、百年戦争を繰り広げていた。その戦争終結直前、AT(アーマードトルーパー)パイロットであるキリコ・キュービィーは味方のギルガメス軍秘密基地への襲撃作戦に何も知らずに参加させられていた。そこで出会った謎の女性、通称素体をみたことによりギルガメス軍から追われる身となる。キリコは様々な惑星を転々としながらあてのない逃避行を続けるのだった...

好きなところ

AT(アーマードトルーパー)の描写

主人公の主にのる機体である、ギルガメス軍の主力ATスコープドッグは全長4mに満たぬただの量産機であり、劇中様々な形で使いつぶされる機体です。駆動系統のポリマーリンゲル液は高速機動を可能にする代わりにパイロット至近に爆発性の液体を多量に必要とし、被弾=死亡になりやすい、最低野郎(ボトムズ)という通称にふさわしい存在です。そんな機体での戦闘シーンはその場の地形や状況を互いに活用した綱渡りのものになっており、決して「かっこいい」ではないものの見ごたえある戦闘シーンを演出してくれます。

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どうみても主人公機の見た目ではない

欲深き登場人物

まともな登場人物がいません(断言)。戦後という環境も相まって、皆が我欲や主義信条のために命を懸ける潔い登場人物ばかりです。世紀末より世紀末している。そんな人々の中をただ一つの思いを胸に駆けるキリコの姿はくるものがあります。

 

むせる

OPである緒方徹郎の名曲「炎のさだめ」の歌詞であり、装甲騎兵ボトムズを代表する形容詞です。泥臭い戦闘と作画、策謀渦巻く宇宙、重苦しいストーリーと3文字でアストラギウス銀河をすべて説明できる素晴らしい形容詞です。ここまで悪徳と野心、退廃と混沌とをコンクリートミキサーにかけてぶちまけたアニメはそんなにない。

 

クメン編

巷ではクメン編(14話~27話)が最高といわれていますが、実際にクメン編が最高です。密林を蠢くATと複雑な人間模様はボトムズ全作品とおしても最高レベルの出来だと確信しています。アッセンブルEX-10の面々、神聖クメン王国の意志など、思い返すだけでワクワクする14話でした。

 

多種多様な派生作品たち

キリコの所属していた謎の部隊レッドショルダーを描いた時系列で最古の作品「野望のルーツ」、百年戦争終盤の秘密作戦を描いた「ペールゼン・ファイルズ」、本編の狭間の哀しい戦闘を描く「ザ・ラストレッドショルダー」(テンポが最高)、本編の後を飾る「赫奕たる異端」「孤影再び」、トリをつとめる「幻影編」、外伝の「機甲猟兵メロウリンク」(めっちゃ好き)、「青の騎士ベルゼルガ物語」など、それぞれ短編ながらも練りこまれた世界観、魅力的な登場人物をえがいた派生作品が多数あります。どれかを見るたびに次をつい見たくなる作品群は、中毒性すらあるのでみような!それぞれについてもめちゃくちゃ書くことありそう。

 

ほんとはTrue Tearsあたりを紹介するはずだったのに気が付いたらボトムズに。こいつ逃避行ものロボットアニメしか紹介せんなとおもったそこのあなた、たぶん正解です。逃避行緊迫感あって面白いから仕方ない。ボトムズは古いのも相まって正直万人受けするアニメじゃないなぁというのは認識していますし、全52話はなげーよ... ただ、1~13話のウド編だけ見てみるのも手かなと思います。クメン編は勢いで見てしまうし。U-NEXTとかの無料期間のうちにみられると思うのでぜひに。課金騎兵モバマスの元ネタとしてみてもいいぞ。あと、メロウリンクはMS IGLOOと合わせてどこかでまた紹介したいですね。

次回は村正の塗装大体終わったよ編&地獄のマスキング編になる予定。頑張る。