思考の芥場

プラモ、ボードゲーム、紙芝居ゲー、アニメや本などの雑記帳

最近触れたコンテンツまとめ 2021年5月

また緊急事態宣言伸びてますが、幸い映画の延期以外はあまり影響なく暮らせております、おしょむです。4月はあんまりアニメ見られなかったな...

深夜特急(沢木耕太郎)

4巻まで。ひさびさに読んだ紀行文。こんな旅行が一回はして見たいけれど、もうそれをする熱量が自分にあるのかと問われると難しいところ。当時のアジアのあたたかい面と残酷な面をさっくり描いていて、スラスラ読むことができた。

きっと、うまくいく

めちゃんこ長い映画だったので、Vtuberの同時視聴があったタイミングで見ました。3時間近いのはゴッドファーザー以来できついかなと思っていましたが、正直3時間を感じさせないテンポ感に「これがインド映画か...」と圧倒されてました。ベタなご都合展開もだれそうなシーンもダンスと歌でゴリ押しながら乗り切るのさすがすぎる。

時計仕掛けのオレンジ

 キューブリックもちまちま見ねばとおもいつつ放置してた作品。少し未来のディストピアに片足突っ込んだ作品なわけですが、一貫して監督人間嫌いすぎでは??と思えるくらいにはシニカルな笑いに包まれており、後味の悪さが最高な映画でした。次はバリー・リンドンあたりを見ていく予定。これは全然関係ないですが、「秘密仕掛けのapple」は名曲なのでぜひ。

レディ・プレイヤーワン

 nerd主人公が特別な才能を持っていて世界を救い、なんやかんやあって女の子もゲット!!的な作品なわけですが、作品全体としてオタクカルチャーに寄せきっているのでガッツリみてしまいました。ガンダムからカウボーイビバップビッグダディまで何でも出てくるので一時停止の嵐なのがほんとに楽しい。

うみねこのなく頃に

6章中盤まで。まーだまだ長そうではありますが、ちょっとずつどんな着地点に向かっていくのかが見えてきた展開編、楽しんでいきたいと思います。

廻るビングドラム

 新作やるらしいので復習に。所謂「バンク」「テンプレ演出」は少女革命ウテナでも取られた手法でしたが、ピングドラムではさらに効果的に使われているな、とウテナ見た後の今だと思いました。何も背景を説明しないまま中盤~終盤へとなだれ込む展開は視聴者置いてけぼりではあるが2回目みるとやっぱり構成凄いと思えるところ。

やっぱり2回目でもラストはわからなかったですが、新作ではどうなるやら...楽しみにしてます!

天晴爛漫

 ちょっとだけ話題になっていたので見ました。Dr.Stone的な科学アニメ...ではなく、アメリカ横断レースを舞台にした群像劇といった風合いの作品。入り乱れる様々な立場の人が一つの目標のもとに集うのがなんだか不思議。1900年代のアメリカ描写が楽しくて一気に見てしまいました。

 サブキャラみんなとってもキャラがいいのに、尺の都合か主人公が全く掘り下げられていなくて終盤空気になっている気がしてますが、作品はほんと面白かったです。

Alan Wake

ちょっと前のホラーゲー。あらすじがゴーンガールっぽくてやってみたくなったので始めました。毎章アメドラ風のOPが付くのがほんとにアメドラ見てる感じで好きです。ゆるゆる進めていきます。

パンデミック:イベリア

始めて遊ぶ機会があったので。原作と比べると100年前なので飛行機が消失、鉄道と船が追加、ワクチン作っても効果薄と痛いところが変更されていました。ただ新規要素の水がかなり強力で、バニラルールだと難易度はかなり低めに思えました。病原体ごとの追加ルールも入れてみたいところ。

ULTRAMAN

4巻まで。等身大のウルトラマンってそれ仮面ライダーなのでは??と思いながら読み始めた作品。主人公がハヤタ隊員の息子なので家族ドラマと、地球と宇宙人の付き合い方がメインテーマなんでしょうか。セブンがほんとかっこいいので読んでくれ。

 

最近触れたコンテンツまとめ 2021年4月

諸々ごたついていたら3月終わってました、おしょむです。模型に時間を取られてあまり触れられていませんが備忘録なのでへーきへーき。

 

聖戦士ダンバイン

OPかっこよすぎて見始めたら黒富野だった枠。登場人物ほぼ全員の精神年齢が異様に低い気がするのですが、それぞれに功名心や家のためにぶつかり合っていくのはいつもの富野。50話もののロボットアニメなのでまぁグダっていたり唐突に出番増えると死亡フラグだったりはいつも通りでしたが楽しめました。流線形主人公機はいいぞ。ビルバインは正直好かん。こんどOVAの方ですがサーバインがバンダイとPLAMAXで出るので作ります。

ひぐらしのなく頃に

 ひさびさに意識してリアタイして、反省会をしたアニメでした。毎週なにもいろいろ起きていて竜騎士07に踊らされて悔しい!ってなっておりました。Twitter考察班の予想やらいろいろ見ながらわいわいやる感じがひさびさで沁みました。アニメは人間と語ってこそなんやなって。

ワールドトリガー2期

 ワートリ1期は終盤グダってましたが、2期は1クールという尺にきっちり収めてきていて疾走感がありました。個人的には小南さんと香取ちゃん好きなのでゆるゆる見守っていきたい。全然知らなかったんですけど3期は10月なんですね、気長に待ちましょう。

 

シンエヴァ

 ヴンダー発進シーンでずっとナディアの話してました。エヴァの前では誰しもがめんどくさいオタク。

ガルパン最終章3話

 カミ車大活躍すぎてビビっていました。ジャングルマップ楽しそうなんだよな。4話も楽しみになる引きで、毎回ずるいなと思うところ。ちょっと前に劇場版見てから行ったので頭が殲滅戦になってて知波単戦ラストはびっくりしていました。

ジョンウィック:パラぺラム

 4作目をやるということで。モロッコのシーンが魅せるアクションという感じで見入ってました。でも続編やりたいからといってあの終盤はちょっと...と思うのは自分だけなのでしょうか。

ゴーンガール

 ちょっと前に大ヒットしたサスペンスもの。妻が消えて夫が困惑しているところに畳みかけるように現れる新事実と少しずつでもじわじわと2時間半にわたって追いつめられるのがきついのなんの。ラストまで背筋凍りっぱなしでした。どっぷり浸かれるひとにはめちゃくちゃおススメですが、僕は二度と見たくないです。

チェンソーマン

 ひさびさに電子書籍買いました。Twitterに情緒を持っていかれた人がいっぱいいましたが自分も持っていかれました。マキマさんみたいな魔女系キャラ大好きなんだなぁ。食べたい。

ダークソウル2

 サンティの槍と栄華の大剣がめっちゃくちゃ好きです。雪原と鉄の回廊は許さん。以上。

けいおん!!

 けいおん1期にはダクソ3の太陽メダルマラソンを支えてもらいましたが、2期にはダクソ2の太陽メダルマラソンを支えてもらいました。1期は鍋回が好きでしたが2期は澪ファンクラブ回が面白かったです。

うみねこのなく頃に

 2章までプレイしたところです。ひぐらしだと思っていたら突然逆転裁判が始まってびっくりしていました。昔のゲームというか、8本を1本にまとめているのでガッとやるには鬼のようにテンポが悪いですが、オートモードで流しながら気長に進めていこうかと。

 

最近触れたコンテンツまとめ 2021年2月

節分もおわり、寒さの底を迎える時期ですが皆さんお元気でしょうか?おしょむです。何となく始めたまとめですが、何とか続いております。

バットマン・ビギンズ」「ダークナイト」「ダークナイトライジング」

 クリストファー・ノーラン作品の中でもまだ見ていなかったアメコミ3作を3日連続で鑑賞しました。テイストなどはダークなアメコミものなわけですがとりあえずビルでも車でもなんでもぶっ壊れる(実写)な辺りはこだわりを感じて楽しく見られました。昨今のマーベルやらのアメコミに多いヒーローが痛みを伴う風潮の過渡期にあたる作品らしい作品でしたね。

 個人的にはJOKERがやはり好きなのでダークナイトの面白さが際立っていたように思います。ライジングのぐるんぐるんする展開はなかなかでしたが、ビギンズ→ダークナイトのつながりと終わり方がきれいすぎて蛇足感を感じてしまうのだけがもったいない。ライジングも十分傑作だとは思うんですが。

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら

アンジャッシュ系ホラーコメディ。絶妙に噛み合わない展開でずっと笑っていました。B級はこうでないとね。

 

ひぐらしのなく頃に業(14話まで)

 毎週何もおきねぇなあと思いつつ、旧アニメに寄せたり寄せなかったりしている本作ですが、14話でついに過去作との決別を打ち出してきていて期待が持ててきました。ここで言えるのはやっぱ詩音メンヘラ可愛いよな!!ってことぐらいなので、気長に視聴していこうかと思ってます。

無能なナナ

 るーすぼーい、お前仕事してたんか!(太陽の子なんてなかった)となりつつ視聴決定した作品です。アニメは原作の28話「リバイバル」までだったので、ついつい漫画の方も買ってしまいました。異能バトルもの...ではあるわけですが、サスペンスという方が正しい感じでしょうか。毎週ガバガバなナナしゃんがガバったりガバらなかったりするのでニコニコしながら見ていました。車輪でもG線でもガバガバだったりガバガバへの見せかけだったりと飽きない展開、好きです。原作はかなり佳境なので毎週楽しみにしています。

魔女の旅々

 カジュアルキノ旅だと思っていたらなんか違った枠。社会思考実験を大事にするキノ旅と、キャラが傍観者(旅人)になりきらない魔女旅。あとOPがeufoniusっぽい。

 イレイナさんをわからせたい...だけで見ていたわけですが、少ない登場人物がきっちりキャラ立ちしていてさっくり見られる良いアニメでした。(9話は何だったのかいまだによくわかっていませんが...) どういう原作をアニメ化したのか気になるのは確かなので図書館で借りてきます。

Crypt of the Necrodancer

 ついにコインを拾うと即死するMonkと武器を持てないDoveをクリアしたので記念に。常時倍テンのBolt君とAriaはやりたくないのでやりません。

f:id:OSYOMU:20210112161716p:plain

0.6%...?

ストライクウィッチーズ(劇場版、ブレイブ、RtB)

劇場版の(それでよかったんか?...)感にはびっくりしましたが、ブレイブとRtBが安定していてガリガリ見ていました。とくにRtBは1期2期と話の流れの構成が全く変わらないのに視聴者が見たいポイントをきちっと抑えているのが良かった...見たいものを見せてくれるフミカネ先生には頭が上がりません。あとガルパンといいストパンといい大戦期のトンデモ兵器をポンポンアニメ化する風潮はいつから始まったんでしょう?

 

けいおん!

 作業枠。ライブシーンだけがっつり見るスタイルでしたが日常アニメってこんな感じなんですね。テンポもお話もキャラもクオリティが高いのに、思わず見入ってしまうライブシーンがあるのは反則。楽しく作業できました。

Psyco-Pass(劇場版、Sinners case1~3)

 アニメ3期がよくわからんくて断念したのでこっちを。シビュラと向き合う人々のお話はやっぱりよろしいというか、須郷さん...お前...いい奴...という感じになっていました。劇場版も面白いけどSinners case良すぎではないでしょうか。征陸さんが久々に見られてうれしかったです。これで3期をしっかり見られるかなと信じています。

狼と香辛料(1期)

わっちわちアニメ。普通にお話も面白くてがっつり見ちゃいました。ゼロ魔とかの主人公振り回す系ヒロインは2000年代で終わったのでしょうか?まぁ楽しく見られたので暇を見つけて2期以降も見ます。

18Chesapeke戦略論③ ~Corporation編#2~

今回は18Chesapeke戦略論③ ~Corporation編#2~です。残りのCorporation6社を扱います。

株式会社考察

③Pittsburgh and Lake Erie Railroad(PLE) トークン3つ

序盤からそこそこの収益で2両走れる。きちんと線路を引かないと人口密集地帯は遠いので、ぜひB&Oと協力してさっさとワシントンに入ろう。C&OやN&Wなど、B&Oの行き先がたくさんある場合は設立するかどうか考えるべき。PRRが立っているならそちらに走ってもいいだろう。盤外にトークンが置いてある関係上、中盤~終盤にかけての単独の馬力はちょっと足りなくなりがちなので、2社目はお早めに。この会社だけだと勝ちきれないかなと。

④Pennsylvania Railroad(PRR) トークン4つ

本拠地周辺が弱め、トークン多めと典型的なディーゼル会社。ただしPC2でH2-I3と置けるなら話は別。一気にLV本拠地に乗り込んでOR2.1から2-2-3車の3台で走れる序盤高収益企業と化す。鬼の収益を手にガンガン2社目を立ててゲームレンジを短く取るプランは18Chの中でも最速。絶対にヘイトは買うのでそのあとのプランは慎重に。

序盤に立たなければPLEかLVあたりの社長が2社目に欲しい会社。東西の盤外につながる都市に積極的にトークンを置き、ディーゼル時代の収益を最大化していこう。設立が遅くて5車で走っていたとしてもディーゼル買った方が収益がでることが多いのでどちらがいいかはきちんと考えよう。

f:id:OSYOMU:20200624143809p:plain

収益が高すぎるので妨害はされそうな気も

⑤Camden & Amboy Railroad トークン2つ

本拠地の関係できっちりニューヨークを使えるので、序盤に立ってもトークン2つの会社3社の中では終盤収益が高め。ただ序盤中盤は並なので、劣化B&Oとの誹りも。むしろB&OやPRRと両方持つくらいの方が扱いやすいか。

 

⑥Norfolk & Western Railway(N&W) トークン3つ

 2.1ORから100金で走れるものの、B&Oが上に伸ばし始めるとDC入りが遅くなって中盤収益不足が目立ちがちな会社。PLEがいないときにはB&Oと協力できる可能性があるのでやってもよさそう。

⑦Strasburg Rail Road(トークン2つ)

線路引き要員。収益はどう見ても自社だけでは伸びないが、周囲に会社が多く、トークンが足りなくなりがちな18Chでは北部に線路を引けるだけで価値がある。どこと組んでも役割は多いので、線路ジャンキーになろう。

⑧Chesapeake & Ohio Railroad(トークン4つ)

全てが遠い会社。ワシントンすら線路の都合で結構遠いので、PRRと同じくトークン4つを活かしてディーゼルでガンガン走る会社。2社目の中で1番手に立ててDCに入れるかどうかが生命線。きちんと育てるならトークン代も列車代もかさむので、どこまで投資するかはゲームレンジ次第で調整するべし。

 

以上、株式会社の紹介でした。5人戦は談合しないとやってられないバランスなのが大好きなので、ぜひともやってみたいところです。

 

「天ノ少女」感想

今年も大晦日を迎え、自分にとっては素晴らしいおうちライフを過ごせた一年でした。今回はクリスマスに発売された「殻ノ少女からのしょうじょ」3部作最終作、「天ノ少女からのしょうじょ」の紹介と感想をば。

殻ノ少女」3部作とは

殻ノ少女からのしょうじょ」「虚ノ少女からのしょうじょ」「天ノ少女からのしょうじょ」の3作は、ブランド「Innocent Grey」が贈る、サイコミステリィADVです。

f:id:OSYOMU:20201231175621j:plain

戦後まもなく、昭和31年の東京で、ある事件をきっかけに警官を辞め探偵を始めた主人公時坂玲人が、一人の少女と出会います。

 

捜して欲しいんだ。――私を。本当の、ね

 

その依頼を出した少女の名は、朽木冬子。そしてこの出会いと同時期に発生した連続少女殺人事件が、連綿と紡がれてきた様々な人の偏執パラノイアを呼び醒まし、さらなる惨劇の幕が上がっていきます。

 虚ノ少女、天ノ少女は殻ノ少女の2年後を舞台に、さらなる登場人物を交えながら謎に迫っていきます。

 

 

以降天ノ少女ネタバレ有り感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、天ノ少女TRUE ENDにたどり着いたので、感想をつらつらと述べていきたいな、と思います。解説はしないので本編やってね。

TRUE END

最初に言いたいのは、TRUE ENDよかった...ということです。

捜して欲しいんだ。――私を。本当の、ね

このシリーズはこの台詞から始まり、この台詞に終わります。戦後まもなくで混乱する社会で、真崎さんや前園さん、葛城シンのように自分のルーツを隠しておきたいもの、自分のルーツを嫌うものが多く登場します。そんな中に会って自分はどこに立っているのかを知りたいという欲求はなんだか一層綺麗なものに思えました。

そもそも登場人物のほとんどにとって過去は忌むべきものであり、現在まで絡みついて離れない偏執の対象になっています。過去を知りたい、向き合ってみたい。そんな偏執のない純粋な気持ちは冬子と色羽くらいしかもっていんですね。

 

章題にあるとおり、至高の高みにあるエンドでした。坂を駆けながら流れる瑠璃の鳥の瞬間にないてしまうんだなぁ。そして振り向きCGよ...

GRAND END

魚住-杏子の結婚式で終わるこのエンドも大好きです。というか物語はエピローグが長ければ長いほどすき(エピローグ40分だった王の帰還とか)なので、幸せな気持ちでエンターキー押せる時間は至福でした。あと墓前シーンのある作品に悪い作品はない。これは間違いないです。

 

批評的なアレ

シリーズファンとしては最高の最終作としてプレイできました。

好きな点ははっきりしていて、普通に事件が面白くてキャラが魅力的だからです。新たな事件、新たな犯人が前作からの偏執に関わり、複雑化していく過程は見ていて堪えるがドーパミンも出っぱなしのようなよくわからない感覚に襲われました。前2作に関わってくるだけでうれしくなっちゃうんですよね。

天罰事件は過程から終わりまで楽しめました、出てくる死体の数々と見えない犯人が何を示すのか、そして最初の被害者は?動機は? 上手く乗せられたなって感じでした。

 

反対に不満点はもやっとしていてまとまっていないです。

いくつか書くと、まず1つ目は天罰事件の6年後、つまり第5章火星天以降の事件の突飛さが挙げられます。事件としては狂人の娘のために遊び相手をさらってきて、不要になった少女を天罰事件に見立てて殺す、という事件なわけですが、殻ノ少女虚ノ少女のすべての事件と比べても物語に存在している必要性が薄い気がしてなりません。虚ノ少女の各事件は雛形出身の真崎と綿密に絡み合っていて、一つ一つを楽しめたわけですが、この事件は本当に関わりが薄いんですよね。犯人描写の濃さも全然足りていないですし。虚ノ少女はその膨大なボリュームで書ききったわけですが、天ノ少女はその辺り話の筋は書けていてもディテールが足りない。

2つ目はキャラの不憫度合いについてなので、下でまとめて...

各キャラクターについてのざっくりコメント

・時坂玲人

カルタグラの誰かと違ってきっちり主人公が推理してくれてうれしいです。周りの人たちは偏執を振り切ってきちんと前を向いていく各エンドのなかで、それを温かく見守りながらも自分は空虚を埋められず、そっとステラとともに生きる(ただし結婚はしない)という姿が物哀しいけど玲人さんらしくてよかったなと思います。偏執から救われることを諦めているが、狂気や不幸に苛まれるわけではないのが複雑です。

・時坂 紫

最後まで強い女性として走り続けていましたね。過去2作に比べて落ち着いた印象になって一層魅力的に見えました。玲人の家に帰ってきたときにステラと会ってちょっと哀しくなるシーンがとっても印象的でした。絶対に真崎と付き合うのは不良物件だからやめてほしい。

・真崎 智之

今作の不満点その2-1、真崎さん影薄い問題。登場シーンは多いし推理もするし重要な場面にもきっちり顔を出す主要キャラではありますが、肝心の本人の偏執に全く向き合わないまま本編が終わってしまいました。触れようとした痕跡はあったけれどそのボリュームと内容では何もないのと一緒!

冬見さんとの終わった関係、未散との掛け合いや、紫さんとのちょっぴり近い関係性など好きなシーンも掘り下げるネタも多い良いキャラでした。

・佐藤歩

貴重な櫻羽女学院学生枠。他はみんな死んでしまった... 選択肢次第では昭和33年でもちょいちょい絡みがあるのがいい。警官礼装かっこいいぞ~

・朽木千鶴

1作目で抱いた違和感が2作目で表面化したのが懐かしい。結局その偏執は3作目でも変わらず続いていましたね。

・朽木文弥

実行力のないやべーやつに機会を与えると大変なことになるという実例。冬子さんへの偏執はホンモノでした。偏執エンドは必見。

・六識 命

作中ですべてを手に入れたおっさん。終わってからいろいろ考えてみるとやることやって(前園さん製とはいえ)美砂にもまた会えて一番幸せに終わりを迎えたのでは?最後までクッソ迷惑だけど語りは上手いので操られちゃう♪って感じの悪役。いや玲人さんからすればもう悪役ではない。

・黒矢 尚織

今作の不満点2-2。お前と真崎の関係性が必要だっただろ!!なんだあの5分くらいのアフターシナリオみたいな絡みは!!

前作で大立ち回りをしたのに今作ではチラ見せ程度というのがほんとどうして...という感じです。殻でばらまいた部分は回収しきったのに、虚の雛形集落の部分はかなり投げっぱなし感が強くて悲しいです。

ただ5分くらいの登場で本人の擦り切れた感じというか達観したオーラは感じとれてよかったかな...

・葉月杏子

日常側の象徴たる喫茶店「月世界」店主。殻では冬子との、虚では雪子とのどこかしっとりしたやりとりが良かった...今回は全く月世界通いの主要キャラが増えず減る一方だったのが悲しい。

・魚住 夾三

偏執のない側の人間だが、それゆえに影が(自分の中では)薄い人。幸せになってください。いや、欠落がない人からは物語が始まらないのだ...

・蒼木 冬史

カルタグラから皆勤賞の数少ない方。劇中では何も失わないが、喪ってきたものは大きい。カルタグラで見せた女性的な部分が好きすぎるんだよな。

・八木沼 了一

こちらもカルタグラから皆勤賞。今までで一番動いてたんじゃないか?今まで示唆されてきた偏執が垣間見られて、1週目強制BADがあって...人間らしくて好きでした。

・マリス・ステラ

かなり主人公周りとは距離のあるキャラだと思っていたらめちゃくちゃ関係が深く、最終章になってぐいぐい主張してきた方。でも確かに玲人の欠落に寄り添うには紫ではだめで、他人だけど他人じゃない距離の人が必要なんだろうな、と思うのも事実。

f:id:OSYOMU:20201231215441p:plain

可愛くないですか??
・茅原 冬美

いろいろ振り切って、割り切って生きられるようになった人。前作からいいキャラしてたのでもっと出て欲しかったな...真崎いじりを無限にしていて欲しい。終わった恋はあるけれど、もう恋は終わっているけれど、今の未散と雪子と3人での暮らしが大事なんだろうなというのが見えて嬉しい。虚またやりたいな...

・茅原 雪子

今回の不満点2-3。今まであまり見なかったタイプの殺人鬼だったうえにいろいろ可愛すぎるのでもっと見たかった... もちろんGrand EndのCGは最高ではあったわけですが、シナリオもうちょっと欲しかったわけで...かわいいCGもっとください。

 

・前園 静

人間の心もあるのに芸術との境界を見失ったお方。いやでも家庭環境的にしょうがないか...笹倉以外の大人に出会っていたらまた違ったんだろうか。千絵さんとの百合シーン結構好き。もっと描いて?

 

若女将とか千絵さんとかはいまだに測りかねているところもあるなぁと思った次第。とにかく不満な点としては雪子と沢城さんもっと出して?と、真崎さんと虚ノ少女にもっと向き合って?というところでした。話の本筋が完璧だったがためにこういうとこに粗がある...と思ってしまうのは贅沢かなぁ。

また殻やりたいな、虚もいいな、いや特典小説読まなきゃ...

最近触れたコンテンツまとめ 2020年12月

映画「いつだってやめられる」 シリーズ

イタリア版オーシャンズ。鼻つまみ者の教授陣が毎回わいのわいのします。専門分野とか活かして頑張る設定は結構楽しいんだけどアクションはないので淡々としがち。あと、夢はないかな...ちょっと世知辛すぎる。本家が豪華かつきちっとまとまってるからなぁ。フランス映画はあんまり見てないからなんか有名なのだけでもさわってみるかな。

レザボア・ドッグス

倫理観を肥溜めにぶち込んでいくタランティーノ作品のひとつ。90分の間に流れるように進行する暴力とすっ飛んでいく展開に圧倒されます。それでいて何とかついていけるくらいに脚本しっかりしてて、ストーリー楽しいのでなんだか見た後はよくわからなくなる、そんな作品。

ペンギン・ハイウェイ

クソガキ小学生(かわいい)がおっぱいを眺めるアニメ。形容しがたいですが、こんな夏欲しいなって思わせてくれる作品。僕も現実改変したい。

機甲戦記ドラグナー

なんで見始めたのかいまだにわかってない作品です。なんで?コロニー→大気圏突入→地上戦→宇宙への流れ、ライバルとその妹、残忍だが憎めない敵など、ファーストガンダム的要素てんこ盛りのリアルロボットアニメでした。主人公が3人組な上ひたすら逆境を殴り飛ばす系主人公なので安心してみてられました。欠点は最高の機体であるキャバリア―君が早々に使い捨てられてしまうところ。1号機はもっとダサかっこいいほうがいい... 頭にレドーム被った異形の3号機はほんとに大好きです。

カウボーイビバップ

どうせ最高のアニメとか言われてるけどキザで気取った雰囲気アニメなんでしょ?と思って見始めたら、キザで気取った雰囲気アニメではあったものの演出とセリフ回しが好きすぎて好きになってしまいました。あるあるネタで話の予測がつく回が結構あるわけですが、登場人物の間の取り方とか、しゃべるとこは喋ってしゃべらないとこはしゃべらないとことかが見やすさの秘訣なのかな。最終回のジェットがビバップ号の掃除をするシーンが良すぎるわけで...林原めぐみが生き生きしてるのもポイントです。

冴えない彼女の育てかた(GS1~3,FD1・2,Memorial1・2,劇場版)

俺たちの丸戸が俺たちWhite Album2ファンを見ているぞ!!という感じにパロネタメタネタ盛沢山の外伝でした。本編では主人公視点しかないわけですが、外伝ではここぞとばかりにお得意の複数視点の物語を構成しているのがにくい...上手い... GS3がやっぱり最高ではあったわけですが、メモリアルのにやにやしっぱなしの展開もいい。本編だけでは突飛かなとか思っていたわけですがそれこそCoda編のグランドファイナルを見ているような、そんな収束感が味わえました。ウォーキングしながら読んでたわけですがマジでキモイ顔してた気がします。この青空ーとWA2以外の丸戸作品もやってみたい。

ジャイアント・ロボ THE ANIMATION 地球が静止する日

チェンゲやら真マジンガーやらの原点たるむさっくるしい今川作品。ジャイアントロボが25話のアニメであれば14~18話くらいのところだけを映像化し、他は映像化していない意味不明な作品ですが、そんなことは些末なこと。画面を縦横無尽に駆け巡る横山光輝キャラたちが名言と名シーンを脳に直接流し込んできます。主人公の影がめっさ薄いとか言ってはいけない。本場の十傑集走りを堪能してほしい。

ゴブリンスレイヤー Goblin's crown

原作9巻のアニメ化作品。年末描写枠その1。TRPGは遊ばないけどTRPGっぽいネタはわかる(エアプ)からゴブスレ面白いんですよね。変わらぬ主人公の変わらぬ活躍が見られます。もう原作は13とかまで出てるんですね。

灰羽連盟

年末描写枠その2。年越し要素のあるアニメ好きです。ARIAとか。ええと、人間も住む不思議な街に現れる、天使のようで天使でない灰羽たちが織り成す日常と非日常のお話。自分が好きになれない少女たちが自分を愛して、自分と向き合っていく、そんな小さくてほっとするお話でした。劇中で設定についてほぼ誰も何も語らないのでいろいろ深読みしながら楽しんでいけます。

「汝は罪人なりや?」

最近触れたコンテンツまとめ

窓開けて寝ると風邪をひくけれど、白菜がお安い季節になってきました。おしょむです。

久々の更新ですが、各々の感想をきちっと書く余力がないので備忘録程度に。

 ヴァイオレット・エヴァーガーデン劇場版

去年の始めごろにアニメ版を見て、外伝をみて、そして劇場版を見ました。開始1分ぐらいで思い出し泣きをした後ずっとハンカチ握ってた気がします。話の流れとしてはマグノリア家の現代のお話、病院の少年のお話、そしてギルベルト少佐のお話と3つの話の筋があったわけです。その中で病院の話は本筋じゃないな...?と上映途中に思い始めていましたが2時間の上映時間の中で手紙から電話へと通信手段が移ろいゆく時代の流れを再現するのには必要不可欠なエピソードだなと現代編のラストを見ながら思っていました。いろいろ考えながらでも心空っぽでも楽しめるとてもいい作品でした。ストーリーは普通といえば普通なのだけれど、あの完成度、表現力で来られてはかないません。

文豪ストレイドッグス(2期、3期)

原作をギルド戦くらいまで読んで今年の始めに1期を見てからの視聴でした。本編しか追ってなかったので過去編がアニメ化されているのがうれしい!異能バトルものは出会って5秒でバトルか聖痕のクェイサーあたりが頂点と信じているので何とも言えないところですが、文ストはメイン2人をはじめとして、「仲が悪いけど仲がいい」ライバル関係が非常に多いのがなんか好きです。みんな横浜という街が好きすぎるが故。あとモンゴメリちゃんきゃわわ。

機動警察パトレイバー(OVA1、映画1)

いや、押井守をこれまでなめていました... 攻殻機動隊スカイ・クロラで好きな監督ではもちろんあったのですが、パトレイバーに関してはかなり好きになってしまいました。正義の味方ではあるわけですが、公務員ならではの煩わしさや癖のありすぎる隊員の描写、ぬるぬる動くメカ、攻殻よりコミカルなのに攻殻より重めの設定とみてる途中も考えながら見てしまう作品でした。すでに「何もない埋め立て地」という概念は東京から消え去ろうとしている今日この頃ですが、豊洲など開発中のところまた見てみたくなりました。キャラクターの中ではやはり後藤隊長と南雲さん(CV.榊原良子)のペアが最高です。夫婦のようなコンビなのに夫婦でなく、クールで昼行灯な後藤隊長が南雲さん(CV.榊原良子)のことを片思い風に想っている感じとかすごく好きです。南雲さん(CV.榊原良子)がほんとによくて...映画2とOVA2も時間作ってみたいところ。

ノーラン作品

9月にインセプションインターステラー、10月にテネット見ました。マイベストノーラン作品は大人気の時間系でなく、「プレステージ」なんですが、テネットはそれにせまるかな、どうかなというところです。なんせ1回目では最終決戦は何とか理解したものの、カーチェイス→尋問のあたりが意味不明だったため... 2回目見に行けたらマイベストノーラン作品になるかもな、という気はしています。毎回毎回楽しませてくれるのでメイキングじっくり見たりしたいな。

キングスジレンマ

9月にやったレガシー系ボードゲーム。ダークファンタジーの世界を舞台に王国を牛耳る名家として影響力を競う作品でした。ストーリーは結構面白く、ダークファンタジーとしていろいろな仕掛けがあり、はちゃめちゃしてて楽しいのですが、ゲーム部分が面白いは面白いものの全員の判断基準がゲーム開始時から変わっていないと「あああの家はああいう方針ね」と単調な処理になりがちというか、ジレンマに悩まされる感じではないところが何とも言えませんでした。アクセルの踏み方はわかるものの、情報がなさ過ぎて踏めないのがもどかしすぎました。隠し目標も実際のところ2回の選択肢のみで決まるので、レガシー要素が希薄なのもしんどいところ。8回~9回くらいで終わるなら楽しいゲームだったのではという気がする。6つのストーリーラインを4つに削って4人用とかでもよかったのではという気がしました。

 Crypt of the Necrodancer

リズムローグライクの走りであるこのゲーム、今ではゼルダとのコラボ版が出ていますが元祖のほうをやってました。ローグライクとしてはとても簡単(らしい)のに、120BPMとかで操作を要求してくる様はまさに地獄。なんとか取得率1%くらいまで(イーライクリアとか)までは来ましたが、その先はどうだか... 気長に遊んでいきます。ローグライクはあまり遊んだことなかったわけですが、これを機にEnter the Gungeon やらOne step from edenやらNoitaやらとあそんでいきたいところ。

マイ・インターン

そういえば見てなかったな映画だなというところで。おっさんものの洋画はどうしてこんなにおっさんがいい感じなのか教えてほしいってくらいにはいい映画だったなと。なんというか、物事に対して技術があるとかももちろん大事なわけですが、誠実であるということがプラスアルファではあるもののいかに大切であるかを教えてくれました。アンハサウェイかっこかわいいぞ!

推しの子

最近追ってる唯一の漫画です。題材は重いけれどコメディタッチ、でもやはり話の筋はとっても重めという、かぐや様の作者っぽいとことぽくないところがあるのかな。毎週重曹ちゃんを楽しみに読んでいます。横槍メンゴ先生の女の子はちょっぴり儚くてかわいいんだ。みんな読んで?

冴えない彼女の育てかた(小説10~13巻)

なんで放置してたのってくらい引き込まれて、図書館で借りてきてから一気読みしてしまいました。2人が落ち着くところに落ち着いて悶えていたのはそうなんですが、丸戸節が全開だったというか、随所に「White Album 2」ネタやら業界ネタが盛り込まれていてにやにや笑いのイグナスになってました。いろいろあった面々で集まって何か一つのものを作り上げるという構図はほんとにWhite Album 2と似ているわけですが、そこに至るまで、そしてそれ自体が長くて、めんどくさくて、そして情熱的な儀式である...そんなところが既視感があっても、いやあるからこそ美しいものに思えました。やっててよかったWhite Album 2。疲れた心には絶対冴えカノのほうがいいけれど、万全の体調ならWhite Album 2をやろうな。